エコエリアやまがたを目指して

山形県のエコ農業〜「エコエリアやまがた」を目指して〜

エコエリアやまがたってな〜に(PDF4121KB)

1 はじめに

 山形県では、豊かな自然を守り、皆様に信頼される農業県であるために、県内すべての地域で環境にやさしいエコ農業が行われる「エコエリアやまがた」の実現をめざして、農家をはじめ関係する人々がさまざまな取組みを行っています。

2 農業と人々のくらし

 農業は、太陽や大地など自然の力を利用して作物を育てる産業であり、ふだん私たちが食べているお米や野菜、くだものなど、生きていくために大切な食べ物を不足しないように生産する役目があります。また、田んぼ(水田)は、水をためておく大きな水がめ(ダム)の役目もあります。
 しかし、多くの作物をとることだけを追い求めて、必要以上に農薬や肥料を使い続けると、川や地下水が汚れたり、まわりの動物や植物に悪い影響を与えることがあります。これでは、自然の力を損ない、農薬や肥料の力だけに頼る農業になってしまいます。
 そこで、豊かな自然を守りながら、私たちのくらしも豊かにするため、自然とできるだけ共生し食べ物と環境を守る農業が求められています。

3 農業の技術

作物が良く育つ工夫

 私たちが安心してくらしていくためには、食べ物が足りなくならないようにしなければなりません。いつ、どこで、誰が作っても、おいしくて良いものが、安定した量を収穫できるようにするためには、作物(食べ物)がよく育つ工夫が必要です。
 ミミズやもっと小さい生き物がたくさんいる豊かな土と、作物に悪さをする病気や害虫を退治し、作物に必要なだけの養分(栄養)をあげる必要があり、こうした工夫を農業の技術といいます。
 農業の技術としては、作物にあげた栄養をよこどりしてしまう雑草を機械で刈り取ったり、病気や害虫が増えないようにビニールや大きな網で囲ったりする方法があります。

 

 

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草刈り機械による除草
(害虫のすみかを少なくする)
雨よけ栽培
(病害が発生しにくい環境をつくる)
防虫ネット
(害虫の侵入を防止する)

 

 また、牛やブタのふんと稲わら(お米のくき)や 籾がら(お米のから)をまぜて、何ヶ月間も発酵(*1) させて、良質なたい肥(*2)を作り、田んぼや畑に使ったりしています。

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たい肥製造施設

*1 発酵(はっこう)
 目に見えない小さな生き物の力で、熱をおこして悪い菌を退治しながら、稲わらや家畜のふんを分解すること。
*2 たい肥(たいひ)
 たい肥は、作物に必要な養分をゆっくり供給する役目や田んぼや畑の土を柔らかくする力をもっている。
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化学農薬や化学肥料の役目

 しかし、このような技術は農家にとって、大変な仕事であったり、十分に病気や害虫を退治できなかったり、作物の養分が足りなかったりする不安があります。このため、化学農薬や化学肥料がつくられました。

 

化学農薬の使い方

 農薬は、雑草が生えるのを防いだり、病気を治したり、害虫を退治するために使います。
 雑草や病気、害虫が増えると、作物のとれる量が減ってしまいますし、病気がでていたり、害虫に傷をつけられたら、見た目がとても悪く、また、痛みやすくなってしまいます。
 しかし、化学農薬は、間違った使い方をすれば、人や作物に悪い影響があるので、法律で厳しく使い方(使用基準)が決められています。使っていい作物、使っていい時期、使っていい量、使っていい回数が決まっていて、農家の人は、法律で決められた安全な使い方を守っています。

 

化学肥料の使い方

 また、化学肥料とは、たい肥と違って、化学的に合成した原料か天然の原料をもとに、化学的に加工して作った肥料です。中に入っている養分の量が正確に決まっていて、作物を育てるときに、必要な量を計算して与えることができるため、作物のとれる量や品質をコントロールしやすくなります。
 このように化学農薬や化学肥料は農業をするうえで、とても重要で、もし、化学農薬や化学肥料がなかったら、日本だけでなく、世界中で食べ物が不足してしまうかもしれません。今、私たちが、毎日、安心して食べ物が食べられるようになったのは、化学農薬や化学肥料を上手に使う農業の技術開発があったからだとも言えます。

環境にやさしいエコ農業の取組み

 化学農薬を使いすぎたり、使う時期や使い方を間違った農業を続けると、農薬が効かない病気や害虫が発生しやすくなります。また、化学肥料だけに頼った農業を続けると土がやせてきたり(*3)、使いすぎると余分な養分によって土や川、地下水に悪い影響が出てくることもあります。
 さらに最近では、特に化学農薬を使わないで育てたものを食べたいという消費者の要望も多くなってきています。
 このため、自然の材料で作られた生物農薬(*4)や有機質肥料(*5)を利用するなど、化学農薬や化学肥料の使用を減らして、なるべく環境に負担をかけない「エコ農業」が求められています。
*3 土がやせる
 土の中の養分やミミズ等の生物が少なくなり、作物への栄養素を十分に供給できなくなったり、蓄えられなくなってしまうこと。
*4 生物農薬
 天敵昆虫や天敵微生物を利用した農薬
*5 有機質肥料
 有機質肥料は、食用油の原料のナタネのしぼりかす、にわとりのふん、魚かすなど、動物や植物を原料とした肥料で、ゆっくりと養分の効きめが現れます。化学肥料ほどすぐには効かないため、育て方をコントロールするのが少し難しくなります。

4 山形県のエコ農業の取組み

全県エコエリア構想の推進

 山形県では、環境にやさしいエコ農業を県内すべての農家で取り組んでいただくよう、平成17年より「全県エコエリア構想」(*6)を推進しており、このため、エコ農業の基本的なポイントを示す「エコエリア環境規範」をすべての農家に配布し、普及に努めています。
 平成23年度の調査では、約63%の農家がエコ農業に取り組んでいます。

*6 全県エコリア構想
 良質なたい肥等を使った豊かな土づくりを行いながら、化学肥料や化学農薬を2〜3割以上減らした農産物の生産に、県内すべての地域で取り組む構想。

エコ農業技術の開発と普及

 山形県では、約20年前から、化学農薬や化学肥料の使う量を減らしても、毎年、おいしくて良い品質の作物が安定した量で収穫できるように、環境にやさしい「エコ農業技術」の研究開発と普及に取り組んでいます。
 例えば、除草剤を使わないで田んぼに雑草が増えないようにする技術や、りんごや西洋なしの栽培で化学農薬を2〜3割減らして病気や害虫を防ぐ技術などの研究開発を行っています。また、有機栽培農家の方々と一緒に、これまで個人の知識と経験に基づいて行われてきた技術の研究と普及にも取り組んでいます。

さまざまなエコ農業の取組み

☆ エコファーマーの栽培

 エコファーマーは、有機質肥料やたい肥を使い、化学農薬や化学肥料の量を、それまで自分が使っていた量よりも2割から3割減らす目標をたてて作物を育てています。
 また、エコファーマーの認定を受けたい方は、こうした計画を作成して、県に申請します。県では、この計画の内容が法律で認めている化学農薬や化学肥料を減らすことができる農業の技術を、適切に組み入れているかなどを審査し、合格していれば認定します。なお、「エコファーマー」とは、全国統一の愛称となっております。
 山形県では、エコファーマーが、平成25年3月現在で9,158名、全国で第6位となっております。

☆ 特別栽培(とくべつさいばい)

 化学農薬と化学肥料を普通の5割、つまり、どちらも半分に減らして作物を育てる栽培であり、この栽培方法を「特別栽培」といいます。作物を育てるときに、その土地の周りへの影響をより少なくすることができることと、化学合成の資材を減らしてとれた作物を食べたいと思う消費者が多いため、年々取り組む農家の人が増えてきています。
 山形県では、平成25年3月現在で、約14,000ヘクタールの面積で、8,517名の方が取り組んでおります。

☆ 有機栽培(ゆうきさいばい)

 化学農薬と化学肥料をまったく使わないで育てる栽培方法です。「有機栽培」は、作物が育つ土台となる「土」を豊かにすることが重要で、できるかぎり病気や害虫の発生を少なくした健康な育て方をめざす方法です。
 病気や害虫、雑草退治には酢や草刈り機械、アイガモを利用したり、使う肥料は動物や植物を原料としている有機質肥料と良質たい肥だけです。
 化学肥料をまったく使わない育て方をする場合では、特に、土に化学肥料以外の方法で栄養分を入れることが必要になるため、良質のたい肥による豊かな土づくりはとても重要です。


 ただ、農薬を使わないので、病気や害虫、雑草をどう防ぐかが大変です。
 特に、田んぼや畑での雑草退治(草取り)は大変な作業です。
 この大変な有機栽培に、山形県では、平成25年3月現在で、178戸の農家が有機JAS認定を受け取り組んでいます。

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アイガモ除草
(害虫も食べてくれる)

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機械による水田除草
(7〜10日ごとに行う)

5 おわりに

 山形県では、「エコエリアやまがた」の実現を目指して、環境にやさしいエコ農業で生産された安全でおいしい農産物を消費者の皆様にお届けすることに努めてまいります。
 皆様のご理解とご支援をお願いします。


見てわかるエコ農業技術へのリンクはこちら


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